一級建築士って難しいって聞くけど取る価値あるの?
仕事上とくに支障ないから取らなくても大丈夫じゃないの?
こんな疑問にお答えします。
【本記事の内容】
- 一級建築士の資格を取るべき3つの理由
- 一級建築士の将来性
- 一級建築士になるには
【本記事の信頼性】
この記事を書いている私は建築業界で15年のキャリアを持つ一級建築士です。
今回は、一級建築士の資格を取るべき理由についてお話しします。
一級建築士の資格がなくても建築業界で活躍することは可能です。
私もなかなか試験に合格できず、「資格がなくても仕事はできているし問題ないでしょ」と自分に言いきかせていました。
しかし、やはり一級建築士の資格を取る価値は大きいです。
これは私が一級建築士の資格を取って感じたことです。
その理由をお話ししていきます。
3分で読めるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、さっそく始めていきます。
一級建築士の資格を取るべき3つの理由
一級建築士の資格を取るべき理由としては大きく3つ。
- キャリアアップできる
- 社会的信用が得られる
- 自分に自信がつく
1つずつ解説していきますね。
理由1:キャリアアップできる
一級建築士の資格を取るとあなたの評価は確実にあがります。
これは社内外問わずです。
社内で評価があがれば、昇進につながるでしょう。
会社によっては、一級建築士が昇進の要件というところもあります。
社外での評価があがるということは、転職に有利になります。
自分の市場価値が格段にあがるのです。
私も一級建築士の資格を取ってからの転職は希望どおりのキャリアアップができました。
また、一級建築士の資格を取ることでさらに上位の資格を狙うことができます。
法規のプロ「建築基準適合性判定資格者」、構造のプロ「構造一級建築士」、設備のプロ「設備一級建築士」といったものがあります。
こうした資格はとても需要が高く、さらにあなたの市場価値の向上を図れるでしょう。
自由な働き方をしたいという人は、独立・開業という方法もあります。
自分の好きな場所で好きな人と好きな仕事をということも可能です。
一級建築士の資格はこういった可能性を広げる手段になるのです。
理由2:社会的信用が得られる
一級建築士の資格を取るにはかなりの時間、努力が必要です。
自分はそういった時間を確保し、努力できる人間だという証明になります。
クライアントから見ても依頼する人が一級建築士だということは安心材料になります。
二級建築士が悪いというわけではないけれど、建築士の最上位資格であることでクライアントからの信用は確実にあがるでしょう。
あなたを雇う会社としても一級建築士の数が増えるとできる仕事の幅も広がります。
たとえば、「このプロジェクトは一級建築士の何名以上の企業に限る」という要件がある仕事にも参加することができるようになります。
あなたが会社の価値を押し上げるのです。
上司はあなたを信用して重要な仕事も任せてくれるようになるでしょう。
そうすると他の人ができない貴重な経験をすることができるのです。
このように社会的信用を得ることによるメリットも大きいです。
理由3:自分に自信がつく
さきほど一級建築士を取ることで努力できる人間だと証明できるというお話しをしました。
第三者に証明するだけでなく、ひとつのことをやり遂げたことで自分にも自信がつきます。
自分もやればできる人間なのだと。
この自信はその後の行動にも良い影響を与えます。
あれだけ頑張れたんだから、今回もなんとかなるだろうという前向きな考えができます。
私は一級建築士の資格を取るまで7年かかりました。
毎年プレッシャーを感じ、なんて自分はできない人間なのだと自己嫌悪になり、来年も勉強をしなければといけないのだと落ち込み、ずっと心のモヤモヤを抱えていました。
こうしたプレッシャーや休日の資格学校から解放されたときは、肩の荷が下りたのと同時についにやり遂げたのだという自信に変わりました。
建築業界で働いていると、一級建築士はいつかは取らないといけない資格だと暗黙のルールになっている部分もあります。
いつかは取らないといけないなら割り切って短期集中で取り切って、早くから自信をつけるべきですね。
私のように長期間、自己嫌悪になりながら、あがき苦しむようなことはしないでください。
一級建築士の資格を取るべき3つの理由
理由1:昇進、転職に有利、独立して自由な働き方も可能
理由2:努力できる人間だと証明でき、クライアントからの信用を得られる
理由3:成功体験を得ることで、自分に自信がつく
一級建築士の将来性
一級建築士の資格を取っても将来的に需要はあるのでしょうか。
現在、少子高齢化が社会問題となっています。
建築業界も例外ではなく、高齢化が進んでいます。
国土交通省によると50代以上の一級建築士が約68%を占めると公表されています。
数年後にはリタイアされ、一級建築士の人数が大幅に減ることは、ほぼ確定している事実です。
とはいえ、建物の老朽化や空家活用など一級建築士の仕事が減ることはありません。
これからは数少ない一級建築士で、数多くの仕事をしないといけない状況になります。
今後ますます一級建築士の需要は高まるでしょう。
さらに詳しくは、一級建築士の資格は何歳までに取るべき?【結論:すぐに取るべき】で解説していますので、興味のある方はご覧ください。
一級建築士の将来性
・大半が50代以上で構成されており近い将来、大幅に一級建築士の人数は減る
・建物の老朽化や空家活用など一級建築士の需要は高まる傾向
一級建築士になるには
一級建築士になるには国家試験に合格しなければなりません。
試験は1年に1度のみ。
資格要件については、令和2年に改正されています。
試験内容は「学科試験」と「製図試験」の2段階になっています。
毎年7月に「学科試験」があり、学科試験の合格者は10月の「製図試験」を受けることができます。
製図試験に合格すれば、晴れて一級建築士となります。
一級建築士の資格を取るために必要な勉強時間は1,000時間とも言われています。
仕事をしながら、大学で卒論を書きながら、勉強時間が十分に取れる方は少ないと思います。
いかに効率的に勉強できるか、なにをやらないかを決めることが最も重要になります。
そうしたことを考えると独学という方法はあまりオススメできません。
毎年、合格者のほとんどが資格学校を利用しています。
しかし、資格学校が出している合格率だけで決めてしまうと自分のやり方と合っていなくて続かなかったということも起こります。
資格学校は高額のものも多いので、慎重に選ぶべきですね。
一級建築士になるには
・「学科試験」と「製図試験」に合格しなければならない
・必要な勉強時間は1,000時間
・合格者のほとんどが資格学校を利用している
まとめ:一級建築士の価値を理解しよう
今回は、一級建築士の資格を取るべき理由について解説しました。
冒頭でもお話ししましたが、一級建築士の資格がなくても建築業界で活躍することは可能です。
しかし、活躍できたから評価されるかというと、必ずしもそうとは限りません。
一級建築士の資格が昇進の要件としている会社もあるくらいなので。
あなたが私と同じように毎年プレッシャーを感じてモヤモヤしているのなら、まずは一級建築士の価値を理解してほしいと思います。
一級建築士の資格を取ることは、可能性を広げる手段になるのです。
あなたが望む未来、社内での昇進、転職、独立、そういった未来へつながるのです。
あなたがいま不満に感じている状況や環境を変えることができるのです。
一級建築士の価値を理解し、なんのために資格を取るのか目的を明確にしてください。
そして、目的を忘れず積極的に勉強に取り組んでいただければと思います。
今回は以上です。